鬼と人と 堺屋太一
- 作者: 堺屋太一
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1993/05
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鬼と人と 堺屋太一 PHP出版
元通産官僚・作家・評論家で元経済企画庁長官でもある堺屋太一さんの実験作。
武田勝頼の首実験から本能寺まで、織田信長と明智光秀がそれぞれ独白を繰り返します。二人が同じ事象に対してまったく正反対の感想を持ったり、違う考えを抱いたりします。
堺屋版信長は結構いいことを考えているし、案外部下のことも思いやっているつもりなのですが、光秀には理解不能・冷酷な主人です。でも、思ったことをいうと殴られるので光秀はグッとガマンの毎日です。
国盗り物語でも思いましたが、この二人の関係は面白い。
信長は自分では間違った世の中に突っ込んでいるつもりですが、実は結構ずれている。ぼけ突っ込みなのです。そこで、光秀がボソボソ突っ込むので、怒られる。業を煮やした光秀は「本能寺の変」という強硬な「突っ込み」を敢行しますが、ツッコミはボケをを滅ぼしてはいけないのではないかな?
なんて、未来の凡人が偉そうなこといってすみません!