死して残せよ虎の皮---浅井長政正伝

死して残せよ虎の皮―浅井長政正伝

死して残せよ虎の皮―浅井長政正伝



織田信長を追い詰めた男、浅井備前守長政を描く歴史小説
とにかく、19ページからの展開には皆驚くでしょう!
・・・思わず本を閉じてしまうかも(without腐女子)。

浅井長政はいくさ上手で家臣の信頼厚い完璧な武将として描かれています。お市の方や子供たちを心から愛していて、理想の夫、父です。織田信長は対照的に、怜悧な戦略家として描かれています。家臣や家族に気を許せない孤独な人間です。信長という人の「異質感」がよく表現されていて秀逸です。

 そんなツンツン信長くんが○○をした!(これってツンデレ?)

さまざまな愛憎の果てに、浅井長政は薄濃(はくだみ)となって信長のものになるのですが、そこにいたるまでの展開が、無性に面白い!人の良すぎる長政。意外と可愛い信長。ドラマチックな台詞。時に妙にリアルな時代描写。信長&秀吉のかけあいも絶妙。

不思議な面白さを宿した時代小説といえるのではないでしょうか。