信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス
- 作者: 宇月原晴明
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/09/30
- メディア: 文庫
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信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス
ファンタジー小説であり、歴史上の織田信長とはかけ離れた「信長像」を楽しめる。
この宇月原晴明の織田信長は、両性具有。
しかも、若き日の秀吉が「こんないい女、見たことがない」というほどの美貌だ。
この無二の存在と共に天下統一を目指していく秀吉や光秀、家康。
闇で信長を支える尭照。
ありきたりかもしれない。が。この設定が、あまりにも美味しい!
文章は翻訳調で、詩の如く言葉に神経が行き届き、美しい。
おどろおどろしい場面も文章の透明度が高いため、さらりと読むことができる。
そして、この物語には、もう一つ舞台がある。
1930年代のベルリンに滞在する詩人であり作家、演劇人であるアントナン・アルトーのもとに表れた謎の青年総見寺。彼は、220年代のローマ皇帝ヘリオガバルスと信長の繋がりを話し始める・・・
物語は、ベルリンと戦国時代が行きつ戻りつするので、大変読みづらい。
ワタシは、戦国編だけでいいよー!と叫びたくなった。