炎の柱 織田信長

 大仏次郎の書く信長は、孤高の王。何かに動かされるように戦い、中世を破壊していきます。
冷徹極まりないのですが、澄み切っています。

 信長の息子、信忠は「戦え!殺せ!」と追い立てられ、悩みます。娘徳姫は、政略結婚されられたあげく夫を信長に殺されます。
 この本を読んだら、だれもが「親父にしたくないナンバー1は信長だ!」と思うでしょう。

 そんなツライ信忠くんも恋をします・・・。緊張する場面の間にこういう柔らかい場面がはさまれているあたりの構成がさすが!

 ひとつ一つのエピソードに説得力があり、ひき込まれました。