桶狭間  柘植久慶

桶狭間 信長の深謀・義元の誤算

桶狭間 信長の深謀・義元の誤算



桶狭間 柘植久慶 PHP出版


慶応大学在学中から、コンゴアルジェリアでの傭兵経験があるという作家:柘植久慶が、あの「桶狭間の戦い」を描いた!で、さぞリアリティと臨場感に満ちた作品だろうと期待して読み始めた。

桶狭間の戦い」は「迂回奇襲説」と「正面攻撃説」があるらしい。が、この本では今や疑問視されているらしい「迂回奇襲説」をとっている。今川義元は油断して酒を飲み謡を踊っている。ホントですか?これは過去の定説では?

 むしろこの本の面白い点は、「まえがき」にある。
織田信長とは・・・
「偉大な軍事指導者あるいは政治指導者にありがちな、重大な決定を下すとき躁と鬱のあいだを往復するような性格の持ち主、ということだ。あるいは、一事にこだわる、偏執狂的性格、と表現してもいいだろう」この見解には、ハッとさせられた。
 まさに、信長だ。

炎の柱 織田信長

 大仏次郎の書く信長は、孤高の王。何かに動かされるように戦い、中世を破壊していきます。
冷徹極まりないのですが、澄み切っています。

 信長の息子、信忠は「戦え!殺せ!」と追い立てられ、悩みます。娘徳姫は、政略結婚されられたあげく夫を信長に殺されます。
 この本を読んだら、だれもが「親父にしたくないナンバー1は信長だ!」と思うでしょう。

 そんなツライ信忠くんも恋をします・・・。緊張する場面の間にこういう柔らかい場面がはさまれているあたりの構成がさすが!

 ひとつ一つのエピソードに説得力があり、ひき込まれました。

司馬遼太郎  国盗り物語

国盗り物語(四) (新潮文庫)

国盗り物語(四) (新潮文庫)

初めまして!

最近「織田信長」にが気になって仕方ないペコリーヌです。
あまりにもはまりすぎて、まわりの人にあきれられています。家族や友人に「信長」の話をすると、1分以内にスルーされる有様!

そこで、同じように「信長」が気になる人と交流したいと、ブログをしたためることにしました。
どうぞヨロシクです・・・

今夜は、まずわたしが「信長」おたくになるきっかけになった作品をご紹介します。



司馬遼太郎国盗り物語



「美濃のまむし」斉藤道山の後継者は、愛娘濃姫の婿、織田信長と、濃姫のいとこの明智光秀
 光秀は信長の家臣となり、信長の天才ぶりに舌を巻く一方、その傲慢さに殺意を抱く・・・

 一方、信長は命を狙われているなどとまったく感じない。ただ、自分らしく振舞っているだけなのだ。

 司馬遼太郎の「信長」はどこかとぼけていて、憎めない。光秀を「金柑頭」秀吉を「はげねずみ」足利義昭を「小蕪殿」をニックネームをつけている。初対面で、光秀の金柑頭を触ってみたい・・・とウズウズするさまは、笑える。

 戦国覇王が、司馬さんにかかるとこんなに可愛くなっちゃうんだなあ、感動しました。

 司馬さんは変人を書くのがウマイ!

 一方の主役明智光秀は常識人&秀才代表。それゆえの苦悩ぶりが、凡人のワタシには分かりすぎるほど分かる。そうだよねー。困るよねー。こんな人が上司じゃ!

気持ちはすごくよくわかる・・・

国盗り物語(三) (新潮文庫)

国盗り物語(三) (新潮文庫)